bitter days
「郁はどうなの?この間言ってた同じ学部の先輩は?」
「んーとりあえずは上手くいってるよー。ただ、就職活動についてアドバイスしてくれるのはいいんだけど、そういうのもなんかめんどくさくてさあ。ちょっと疲れてきちゃった。」
その時のことを思い出してはあと今日2回目のため息をつく。そんな私を頬図絵ついたまま眺める奈美の視線はなんだかすごく優しくて。でも、悲しそうにも見えて。あたしは奈美からぱっと目を逸らした。
いつからだろう、奈美がこんな風に私を見つめるのは。
その後はお互いの就職活動の愚痴なんかを言い合って、それぞれ別のブースに戻った。
今日は何か気になる企業を1つでも見つけることが出来れば十分。そう目標を立ててその後を過ごした。
帰るころには入場した時にもらった簡易バックには様々な会社のパンフレットで埋め尽くされていて、家に帰るまでもぐったりした気分だった。