bitter days



ふうとため息をついてビールをぐいと呷る。俺はいくら飲んでもほろ酔いくらいにしかならなくて、正直ビールじゃ物足りない。でも学部生の飲み会となると強いお酒を好む人もなかなかいなくて。

斉藤も後輩たちと楽しそうにしているから、とりあえずお酒を楽しもうと店員さんを呼ぶ。


「焼酎、ロックで。」


パタンと飲み物のメニューを閉じた時、「あ、すみません、それを2つ。」という声が少し離れたところから聞こえた。声が聞こえた方に目を向けてみると、すごく美人の子が居た。

美人すぎるせいで周りが声をかけたくてもかけられなそうにしているのが雰囲気で分かる。彼女と隣の男の子たちが距離を空けているようにみせながらも視線が彼女を追っているから。




ふーん。なるほどね。




美人な故に周りの空気が冷え切っているように感じて近づけなさそうだけど、俺の思った通りなら。



「隣、いい?」



にこりと微笑んで彼女の隣を陣取った。彼女の隣の男の子が距離を空けて座っていてくれたから、割り込むのは簡単だった。もちろん、手には彼女とお揃いの焼酎のロックを持つことを忘れずに。






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