bitter days




「橘 和馬って言います。君、すごくつまんなそう。」



そう言って微笑むと、美人な彼女ははあとため息をついて俺のグラスに自分のグラスを合わせてきた。



「私は尾山 奈美です。そうなんですよ。
周りは強いお酒飲まないし、話しても同い年なのになぜか敬語使われるし。」



やっぱりね。俺の思った通りの子だ。


クールな訳ではなく、ただ単にこの時間がつまんなくて不機嫌になっているだけで。この年代にしては珍しく、自分のやりたいことをやるタイプ。



「俺が飲めるよ。ちょうど俺の周りも誰も飲めなくて暇してたんだ。よかったら付き合ってよ。」



「いいですよ。」





そうして俺は尾山さんとお酒を交わしながらくだらない話を始めた。彼女は同じ学科の子に無理矢理連れてこられたらしい。大方、男子が尾山さんと接触を持ちたくて同じ学科の子に頼んだんだろう。

その機会を生かせないなんて。もったいなすぎるよね。







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