bitter days






「あ、やべえ、本借りてねえわ。」


「お前何やってんだよーさっさと行ってこい。」


部活後に授業の課題で使う本を借りていないことに気づき、仁に断りを入れて急いで図書室に向かっていた。
部活後の校内は使用していない箇所以外は電気が切られていることもあってかなり暗くて。あまり築年数の浅くない俺らの校舎のせいもあってかなり不気味だった。

急いで本借りてこねえと。

ほぼ駆け足で図書室に向かってガラと扉を開けた瞬間、俺は自分らしくなく大声をあげた。



「うわっ!」



だって、図書室の中に人が居たんだ。ポーカーフェイスとかいろいろ言われている俺でも、暗闇の中にぼんやりと浮かぶ人影を見たらさすがにビビる。
おそるおそる一歩を踏み出してみると、


「・・・高橋?」


という聞きなれた声が聞こえた。どうやら俺の知っている人らしい。それだけで一気に安心した俺は、はあとため息をついたあと人影の方に向かった。そこにはクラス委員をしている立花がいた。


「なんだ、立花かよ。まじでビビったんだけど。」


そう言いながら立花が座っているところに近づくと、立花がさっと何かを後ろに隠したのが見えた。



「立花はなにやってんの?なんか隠した?」




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