私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~
 ご執心って……。

 もうちょっと突っ込んで訊きたかったが、もう彰人はそこまで来ている。

 自分が花音のことを気にしていると悟られたくなかった。

「美人ですよね、花音さんって」
と彰人の側に相応しい美女を想像し、そう呟いてみると、

「うん。
 綺麗だよねー。

 口開くとちょっと印象変わるけど」
と笑っている。

 や、やはり美女なのか。

 そうか。
 そうだよな。

 この拾った猫と週末遊ぶより、人間の美女と過ごす方がいいに決まってるよな、と拳を作ったとき、彰人が戻ってきて言った。

「あの自衛隊、うるさいだろうから、済まないが、スタッフルームにでも放り込んで少し話させてやってくれ」

 携帯がつながってしまったらしく、菅野は完全に挙動不審だ。

 落ち着いた店内で浮いているが、此処は、品の良いご高齢のご夫婦なども多く、客層が良いせいか、見て見ぬふりをしてくれている。

 わかった、と苦笑したあとで、泉田は言った。

「そういえば、こちびちゃんと花音さんってちょっと似てない?」
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