私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~
彰人はちゃんとタクシーで、家まで送ってくれた。
「じゃあな、こちび」
とあっさり、そこで別れる。
なんかこれはこれで寂しいんですけど。
彰人さんの頭の中は、週末会う、花音さんのことでいっぱいなのでしょうか。
やっぱり、呪います……、と思いながら、とぼとぼと家に入ると、よくわからないテンションの姉が待っていた。
「あら、なに、帰ってきたじゃない」
とこちらに向かい言う。
「菅野が、あんたは、あのイケメン王子と出て行ったから、帰ってこないかもって言ってたのに」
何気にトドメ刺してくるよな、この人、と思いながら、
「帰ってくるわよ。
家に帰らなくて、何処に帰るのよ」
といじけたように言ってみたが、姉は話を振るだけ振って、聞いていない。
自分のことで手一杯のようだ。
「もう〜っ。
全然要領得ない電話だったわ。
なんなのかしらね、菅野はっ」
と怒ってはいるが、何処か嬉しそうだった。
班長、また、告白しなかったのか、と思いながら、二階へと上がる。
千鶴はまだなにかしゃべっていたが、特に聞いてはいなかった。