私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~
どうしよう、ほんとに好きかもしれません……。
 



 朝、小春が会社に行くと、菅野はテンションが低かった。

 来い、と昼休みに手招きされ、人気のない階段へと連れて行かれる。

 屋上手前のそこに腰掛け、菅野は深く溜息をついた。

「どうしたんですか、班長。
 昨夜も告白できなかったから、落ち込んでるんですか?」

 いや……と言った菅野は、
「昨日、考えてみたんだ。
 千鶴に告白しようとして、なんとなく出来なくて」

 それが何故なのか、考えてみた、と言う。

 よくわからないまま、側に腰掛ける。

 菅野は、階段下を見たまま言った。

「彰人の言ったことは正しい」
「えっ」

 俺は浮気していた、と菅野は言う。

 どうしよう。
 男性不信になりそうだ。

 昨日の彰人さんといい。

 いや、別に彰人さんは、私を好きとか言ってたわけじゃないけど。

 ただ、行方不明の猫に似ていると可愛がってくれてただけだけど……。

 ……いや、それもどうなんだ。
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