私、あなたを呪ってマス！ ～こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常～

　まあ、彰人に関しては、猫より、人間の美女の方がいいに決まってるから、あっちを優先して当然だけど。

　班長だけは、ずっと真っ直ぐに一途にお姉ちゃんを思ってくれていると思っていたのに。

　昨日の彰人の態度と同じくらいのショックを受けて、小春は黙った。

　だが、菅野はなおも、衝撃的な言葉を繰り返してくる。

「ようやくわかったよ。
　浮気していたのは、俺の方だ」

　まあ、確かに、班長の周り、いつも女の人、いっぱいいたもんな、と小春は冷静に思い返していた。

　全部お友達だと思ってたけど、中にいい人居たんだろうな。

　兄だと思っていた人が、実は、よその家の子でしたくらいの衝撃を受けながら、
「……誰とですか？」
と訊いてみた。

　確かめたくない、という思いもあったのだが、お姉ちゃんのためにも、はっきりさせとかないと、と思い訊いてみたのだが、菅野は、

「いや、お前と」
と言ってきた。

「……はい？」
と小春は訊き返す。