私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~
「急に悪かった。
 でも、俺は本気だから」
と言ったあとで、よし、と菅野は階段の下を見る。

 その視線を追い、誰にも見られていなかったようだと、ほっとする暇もなく、彼は言ってきた。

「今から、彰人に言ってこよう」

 なにを!?

 まさか、私とキスしたってことを!?
と思っていると、

「俺が小春と付き合うと宣言してくる」
と言い出した。

 付き合わないよ!?

「どうせ、あいつはお前のことを猫程度にしか思ってないんだろ?
 もうつきまとわないよう言ってくる」

 いや、つきまとってんのは、あんたの方だ〜っ。

 今まで、誠実そうでいいと思ってたけど。

 愚直で行動力のある体育会系、ちょっと怖い、と考えを改めた。

 今すぐこの男を此処から蹴り落として殺しておかねば、のちのち後悔するような。

 そんな気が無性にしていた……。




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