私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~
 ……わからなかったんだな、と思っていると、彰人はステープラーでおのれの肩を叩きながら、

「俺がこいつを好きかどうかはともかくとして。

 こちびはうちの猫だ。
 付き合いたい奴はまず、俺に言ってこい」
と言ってくる。

 待てっ。
 言ってくれば、付き合ってもいいのか? と目をむいてしまう。

 井川もそう思ったようで、
「じゃあ、僕が小春ちゃんと付き合いたいと言ったら、付き合ってもいいってこと?」
と訊いていた。

 真正面から訊かれ、さすがの彰人も詰まっていたが。

「そんなこと小春が了承するわけない」
と言ってくる。

「そんなことわかんないじゃないですか」

 思わず、そう言うと、
「じゃあ、お前、井川と付き合うのか?」
といつものように上から見下され、

「いいですよ」
と小春も負けじと腕を組み、彰人を威嚇するように見上げてみた。
< 126 / 176 >

この作品をシェア

pagetop