私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~
 人は自分のことをチャラチャラした人間だと思っているが、誰にも本気になれないだけだし。

 なったらなったで、どうしていいのかわからなくなって怖い。

 花音には最近、気になる相手が出来たらしい。

 子供の頃、二人で憧れていたピアニスト、飛鷹昌磨だ。

 たまたま会社の上司として赴任してきたらしい。

 今はピアノは趣味でしか弾かない彼に、自分も花音も弾いて欲しくて仕方がない。

 妹の恋の行方も気になって、つい帰ってきてしまったが、いざ、帰ってみると、こちびはどうしているだろう、とそればかり気になっていた。

 花音に、昌磨とデートしないのかと訊いてみる。

「いや、日曜くらいゆっくりしたいかと思って」
と言うので、

「呼んでこいよ。
 意外と電話かかるの待ってるかもしれないぞ」
と言ってみた。

「なんでそう思うの?」
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