私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~
 



 私には、芹沢彰人を呪う三つの理由がある。

 ひとつめは、イケメンであること

 ふたつめは、勝手にキスしてきたこと。

 いや、違うな、と気づく。

 なんかもう、呪う理由がわからなくなってきている。

 ああ、そうそう。

 ひとつめは、罰ゲームなんかでキスしてきたこと。

 ふたつめは、こちびというあだ名を勝手につけられたことだった。

 だが、前のふたつは変わっても、最後のひとつは変わらない。

 結局、二人は、彰人の部屋に行っていた。

 小春は自分に触れてくる彰人の頬に手をやり、思う。

 最後のひとつは、それでも彼をいいなと思ってしまっていることだ、と。

「貴方が好きです」

「知ってた」

「だから、もう~っ。
 そういうのやめてくださいよ、自信過剰っ」

 必死な思いで言ったのに~っ、とベッドの上で暴れると、

「いや、真正面から言われると照れるから」
と言ってくる。
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