私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~
 ……そうだったのか。
 あの王様口調はもしや、照れ隠しなのか?

 いや……ただの性格では、と思っていると、彰人は、やさしく微笑み、
「お前は、失踪すんなよ、小春」
とキスしてくる。

 うわーっ、どうしようっ。

「私、私っ、これをファーストキスにしたいですっ」

「……今までのは全部なしか」
とちょっと寂しそうに呟きながらも、好きにしろ、と言ってきた。

 彰人のさっきの笑顔を胸に焼きつけるように、また目を閉じると、

「よしよし。
 そのまま、また数を数えてろ」
と彰人は言う。

「もう数えませんよっ」
と目を開け、言い返した。

 笑っている彰人の顔がすぐそこにある。




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