私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~
 


「出張に行ってくる」
と王様は高らかに宣言なさった。

「……そうですか」

「なんだ、そのリアクション」

 っていうか、なんだって私は今日も貴方の部屋に呼ばれているんでしょうか。

 しかも、なにやら、途中で買ってもらったケーキまでご馳走になっている。

 餌付けか? と思っていると、
「ところでお前、菅野とは知り合いなのか?」
と彰人が訊いてきた。

「ああ、班長ですか」
「班長?」

「小学校のときの登校班の班長です」
と言いながら、可愛いイチゴのロールケーキをパクつく。

「何故、登校班の班長が会社にいる」

「今、班長なわけじゃないですよ」
と言うと、当たり前だろ、と言われた。

 彰人の淹れてくれた珈琲の香りに至福を感じながら、
「入社してみたら、たまたま班長が居たんですよ」
と答える。
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