私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~
私、あなたをつけてマス!
なにかこう。
落ち着かないな。
総務でボールペンを箱ごと受け取り、自分の部署に帰る途中、彰人は背後から、ただならぬ気配を感じていた。
なにかが付いてきているような、というか、隠れているような。
柱の陰から、猫がいつ飛びかかってやろうかと、わくわくしながら、こちらを窺っているような、そんな気配を感じる。
くるっと不意打ちに振り向いてみたが、誰も居ない。
首を捻りながら、ボールペンの箱で肩を叩く。
エレベーターに乗ると、ちょうど誰も居なかったので、実家に電話した。
この時間、母親は家に居るはずだった。
「母さん?
今度の出張でそっち帰るから。
花音は真面目に会社行ってるのか?」
そう話しながら、エレベーターに乗ったら、さっきの気配が消えたな。
やはり誰か居たのか? と思っていた。