私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~
私、あなたをつけてマス!
 



 なにかこう。
 落ち着かないな。

 総務でボールペンを箱ごと受け取り、自分の部署に帰る途中、彰人は背後から、ただならぬ気配を感じていた。

 なにかが付いてきているような、というか、隠れているような。

 柱の陰から、猫がいつ飛びかかってやろうかと、わくわくしながら、こちらを窺っているような、そんな気配を感じる。

 くるっと不意打ちに振り向いてみたが、誰も居ない。

 首を捻りながら、ボールペンの箱で肩を叩く。

 エレベーターに乗ると、ちょうど誰も居なかったので、実家に電話した。

 この時間、母親は家に居るはずだった。

「母さん?
 今度の出張でそっち帰るから。

 花音は真面目に会社行ってるのか?」

 そう話しながら、エレベーターに乗ったら、さっきの気配が消えたな。

 やはり誰か居たのか? と思っていた。







< 8 / 176 >

この作品をシェア

pagetop