私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~
やっぱり呪います……。
「おはようございますー」
朝、小春がエレベーターに乗ると、菅野も居た。
なにやらちょっと機嫌が悪い。
「おはようございます」
と菅野にも挨拶したが、ちらと、こちらを見ただけで、黙っている。
「なんですか、班長。
ご機嫌斜めですね」
と言うと、側に居た、確か菅野の課の課長が、班長? とこちらを見る。
この莫迦っ、と菅野はその大きな手で、壁に押しつけるようにして、小春の口を塞ぐ。
「な、なんでもないです」
はは、と課長に向かい、笑っていた。
「誰が班長だ」
と降りたあとで、菅野に睨まれる。
「いえ、なにやら機嫌が悪いので、気になって、つい」
と言うと、菅野は一瞬考えたあとで、
「お前、彰人と――」
と言いかけ、いや、なんでもない、と言う。
そのとき、あの呑み会のとき、幹事をやっていた彰人たちの同期の徳田がやってきた。
「おお、ちょうどよかった。
お前ら、今日、飲みに行かないか?」