消しゴム位の。
一方、こんな疑問も湧いてくる。

"何でそんな事を言える"
"彼女は俺の何を知っているんだろうか"

見知らぬ相手に貴方は違うと言われ
この疑問が湧いてくるのは、
必然ではないだろうか。

「俺は君のこと知らないんだけど。」

俺にはそんなに多く親しい友達もいないし、
彼女と話すのもこれが初めてだ。
単純な追求心。
もしくは、好奇心だろうか。
ただ、少しだけ彼女に興味を持った。

「やっぱり覚えて無いですよね。」

やっぱり?彼女と面識は無いはずだ。
疑問は解消されるどころか、増えるばかり。

「私が中三の時だから…
ちょうど一年前ですかね。
私と先輩は一回会ってるんです。
それも私、先輩に助けてもらって。」

一年前…人助け…。
よく思い出せない。
今から一年前だから…高一の春だろうか。

「っ…、」

あぁ、嫌だ。何でこんな…。

嫌な事を思い出した。
いや。正確には、思い出しそうだった。
やっと忘れかけて来たのに、
やっと"あいつ"が俺から消えそうだったのに。

何かに押し潰されそうにな気持ちを
必死に隠しながら、彼女の次の言葉を待った。
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