明日の君に手を振って
なんだかやたらにノリの良い男の子や、無心に無表情で料理を楽しんでいる男の子や、しつこく馴れ馴れしい男の子、いろんな子達とテーブルを囲んでは他愛ない時間が流れていく。
そのうちの何人もと連絡先を聞かれるままに交換したけれど、本心としてはちょっと怖い。
だって大して知りもしないような人たちに自分の連絡先を知られてるんだもん。
かといって『街コンに何しに来たの?出会い探してるんじゃないの?』なんて言われて、キッパリとNOと言えない自分がいる。
「やっぱり、早まったかなぁ」
ボソッと呟いたら、朋美が吹き出した。
「あんたは一回やらかさないと気づかないからね。頭に血の上りやすい性格、ちょっとだけ落ち着けても良いのかもね?私は嫌いじゃないけど」
ポンポンと肩を叩く朋美はお姉さんのようだ。
スッキリしたその性格が私のものであれば良いのにって何度も思った。
うじうじしてる自分が嫌いだと思うのに、それを断ち切れないでいる自分がもっと嫌い。
朋美のことは好きだし、大切だけど、時々どうしようもなく嫉妬で心が重たくなる。