明日の君に手を振って
知ってるんだ、本当は。
1年付き合った彼の好みは自分の意見の言える、意思があって周りに依存しない子。
私の中では、それは朋美そのもので、知らず知らずのうちに真似してたんだと思う。
そして、本当の自分とのズレが破局を生んだ。
だから、あの日、あの場所で『別れよう』と言われたのは、きっとたぶん必然で。
冷めていたのは本当はもっと前の段階で……。
結局そうやってうじうじしてたら街コンはお開きになった。
けど、やっぱりどうしてもスッキリしなかったのでこうなればやけだと、朋美と別れてもう一度同じ店内に入った。
さっきとは違う場所に通されて、さっきは食べられなかった名物だというリコッタチーズのふわとろパンケーキと紅茶を注文する。
注文があってから焼き上げるというパンケーキは来るまでに少しの時間があって、先に持ってきてくれた紅茶に口をつけた。
ふわりと香る、ダージリン。
ようやく心が解れてくる。