明日の君に手を振って
「ねー、恵ちゃんは女の子が好きなの?」
屈託なく全開きらきら笑顔で爆弾発言を落とされてぎょっとする。
「え、ちが、ちがうよ!?」
世の中のそういう人たちのことを否定する気はないけれど、私自身は至ってノーマルだ。
大慌てで否定すると今度はけたけたと笑い転げる。
えー、なにこの表情表現豊かな子は。
「あー、もしかして、さっきの会話聞いてたの?」
横からの助け船は朋美のもの。
「そうそうー!たまたま聞こえてきた会話がちょっと衝撃的だったからさ~」
へへ、と笑って「ゴメンね、変なこと言って」と首をかしげる様が女の私より断然かわいくて。
「お構い無く」なんて、訳のわからないこと場を返す始末。穴があったら入りたい。
「ともみぃ、私、やっぱ服選び間違えたわ」
実用性重視よりも大切なことが世の中にはあるらしい。
自分より遥かに可愛らしいという形容詞が似合う男の子を目の前にしてようやくわかった気がする。
こりゃ今日の私は“やる気無い女子”だわ。
「言わんこっちゃない」
呆れられた言葉が私の耳を掠める。
その間も馨くんの口は休むことなく。
でもなんの違和感もない。
なぜか初めからそこにいたか?女子会か?ってくらい自然に溶け込んでいた。