いとでんわ~君と繋がる赤い糸~
「教室で黄昏て、また、サボりか」
「別に関係ないでしょ」
彼は私の隣の席に座った。
「なんで、座るのよ。
あんたは練習行けば良いでしょ」
「別に良いじゃん。
最近、来ねぇと思ったら、耳のことか」
「なんで、あんたが知ってんのよ」
「バンドの子に聞いた。
しばらく考えさせて欲しいって
言ったんだって」
なんなのよ、お節介
「心配してたぞ」
「別にあんなに関係ないでしょ!」
強めの大きな声で言うと圭は喰い気味に
「関係無いわけないだろ!」
圭の大きな声に驚いた。
「俺は、お前の歌声が好きなんだよ。
それに、すげぇ努力家でメンバー想いで、
すぐ感動して泣いちまう。
そんな、お前のことも好きなんだよ!
絶対、幸せに出来ねぇと思って、
諦めようとした。
でも、出来なかった。
どんな女と一緒に居ても、満たされねぇんだよ
お前のことばっか、考えちまって……、
音楽にふれて笑ってる、お前が好きなんだよ。
好きで、好きで、可笑しくなりそうだ」
圭が本気なのは、伝わってきた。