部長っ!話を聞いてください!

堪えきれずに発してしまった言葉は、ちょっぴり上ずっていた。


部長のプライベートはよく知らないし、何を買ったらいいかなんて全く思いつかないけど……。


『土屋が俺にどんなものを選んでくれるんだろうって興味はあるけど』


私は唇を引き結び、胸元に添えていた手をぎゅっと握りしめた。




わたくし、土屋 愛由花! (つちや あゆか)

部長への誕生日プレゼントを、精一杯心を込めて選ばさせていただきますっ!



心の中で力強く誓いを立てた後、私はお箸を手にとり、御弁当の残りをガツガツ食べ始めた。

何を買おうか。どこに買いに行こうか。

口元を緩ませながらそんなことをぐるぐる考えていると、ポケットに入っているスマホが振動した。

私は再びランチクロスにお箸を置き、それを確認する。

送られてきたメールは姉からのもので、『今日、何時ごろ仕事終わる?』という素っ気ない一文だった。

それに私は『仕事は五時で終わるけど、そのあと買い物に行くから、今日はちょっと忙しい』と、素早く返事をした。


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