部長っ!話を聞いてください!
ドキドキしながら返事を待っていると、部長が組んでいた腕を解き、私のプレゼントを手に取ってくれた。
受け取ってくれた……やっと、受け取ってくれた!
顔を上げると、すぐに部長と目と目が合った。
「……朝から悪かったな」
部長が私に笑いかけてくれている。
「部長」
嬉しすぎて泣きそうだ。
「部長ーーっ!」
涙声になりながらも、懸命に呼びかけると、そっと部長の手が私に伸びてきた。
後頭部に大きな手が触れ、そのまま優しい力で私を引き寄せた。
倒れこむように、部長の胸元へと自分の額を押し付けた。
「声が枯れてるのは、俺のせいか?」
鼓動と、体温と、優しい声音に、涙が滲んでくる。
「今日は、俺のこと何度も呼んでたもんな」
「……部長が逃げるから、大声出しまくりました」
声が枯れているのはカラオケのせいもあるけど、この際それは黙っておこう。
部長を呼び止めたくて、大きな声を出し続けていたことは事実なのだから。
撫でてくれていた手が離れ、私はゆっくりと部長に寄りかかっていた体を起こした。
視線を上げると、また目が合った。