部長っ!話を聞いてください!


「……でも、まぁ、土屋が俺にどんなものを選んでくれるんだろうって興味はあるけど」

「えっ!?」


ちょっぴり照れた様子で、部長がそんなことを言った。


い、今のは……プレゼント欲しいと言われたと思っちゃってもいいのかな?


部長の言葉を心の中で繰り返すと、鼓動が早まっていく。

嬉しくて、でも気恥ずかしくて、顔が熱くなっていく。


「……部長っ!」


嬉しさと気恥ずかしさの入り混じった声で呼びかけると、部長が一拍置いた後、笑みを浮かべた。

優しく笑いかけてくれた。


「え? 土屋さんがどうかしましたか? 部長、今なんて――……」


「特に何も言ってない、気にするな。それより、渡してもらいたいものの話だけど……」


言葉が聞き取れなかったらしい吉田君の興味をそらすように、部長は彼が持っていたのど飴をやや強引に掴み取り、そして歩き出した。

もちろん吉田君も、部長を追いかけ歩き出す。

部長の大きな背中が室内から出て行くのを見送ってから、私はぺたりと椅子に腰を下ろした。

胸元を手で押さえれば、鼓動が強く伝わってくる。


胸がすごくドキドキしている。



「……何が、良いかな」



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