日照雨のひとつの傘 ーそばえのひとつのかさー
私は急いでロッカーを再び開けた。

「あのさ…」

「ん?」

唯くんが私に話しかけた。

「えっとー」

と言いかけた時。

「唯おはよーっ!あれ、同じクラスの可愛い子じゃん。唯狙ってんのかー」

あらやだーと笑いながら唯くんの肩をパシパシ叩く。

「そっ、そんなんじゃねーし!!!」

「唯怒んなってー」

「怒ってない。いや怒ってる。早く教室入るぞ」

唯くんはぐいぐい男の子の背中を押し教室へ入っていった。
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