日照雨のひとつの傘 ーそばえのひとつのかさー
「悠月ちゃん、紗奈。同じ班になろ!」

私達は驚いた。

「さっき女子に囲まれてなかった?」

紗奈も私と同じ疑問を抱いていたようだ。

「あー同じ班になろうよって誘われたんだけど断っちゃった。ということでよろしく」

しょうがないなと言っている紗奈はなんだか嬉しそうだった。

「あのさ」

「どしたの悠月?」

「誘いたい子がいるんだけど良い?」

「うん」

私は3人から離れあの子を連れてきた。

「芹沢湊君か!」

私が弁当を食べている時気になった子。

「うちらと一緒でいーい?」

「うん、よろしくね」

芹沢君は照れくさそうに笑った。
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