もっと聞かせて うっとり酔わせて
β.その声につられて
千葉は瑠花とメアドを交換し

その場ですぐにメールを送った。

『湘南台で待ち合わせよう。時間は6時だ。』

『わかりました。』

『ありがとう。バイパス沿いに知っている店がある。帰りは送るから気にしなくていい。』

『お車ですか?』

『その方が楽だろ。移動しながら話せる時間がある。』

『話せる時間ですか?』

『瑠花の希望通り。』

『私の希望がわかるんですか?』

『わかる。』

『なぜわかるんですか?』

『内緒。』

お互いスマホをしまい

瑠花は千葉の腹の上から立ち上がって

ドアを背に狭いスペースに身を寄せた。

千葉は鉄板の上であぐらをかき

そばにあった黒い塊を首にかけ

リュックを手元に引き寄せて立ち上がった。

長身で肩のガッチリしたデカイなりだ。

長い足には何年も洗ってなさそうなくたびれたジーンズをはいていた。

瑠花は下から見上げるように千葉を振り仰いだ。

「それは何ですか?」

たすき掛けした黒いものを指差して聞いた。

「レフだ。」

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