もっと聞かせて うっとり酔わせて
翌朝千葉さんからの着信音が目覚ましアラームより早い時間に鳴った。

スマホを見たらまだ4時半だった。

眠い目をこすりながらメールを開いた。

『おはよう。起こしてしまったと思うが、これから羽田だ。しばらく遠方へ出張になった。もっと話せる時間が欲しい。良かったら週末俺の方に来れないか?香港だ。宿泊先は添付した。貴士』

私は飛び起きた。

香港ですって!?

驚いた。

『おはようございます。昨日は楽しかったです。私が伺うのは追っ掛けではありません。現地に両親が滞在中だからです。瑠花』

取り合えず母へ航空券を手配してもらうメールを送信した。

千葉さんから返信がきた。

『海外赴任?いつから?』

『半年くらい前からです。』

『了解した。現地に着いたら電話を。』

『わかりました。お気をつけて。』

『Thx』

目が覚めた。

「はぁ~もう寝てられない。」

ポットの湯を沸かして紅茶を入れた。

レンジで温めた牛乳を先にカップに注いで

ミルクティーを作った。

この時間を有効に使わなくちゃ。

荷造りを始めた。

今日は水曜だ。

明後日の夜は香港だと思うと

なんだか嬉しかった。

半年振りに両親にも会える。

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