素直になれば
それってデートの誘いなの?そう聞きたいけど、そう聞いたらもう二度と一緒には映画に行けなくなる気がして、あたしは黙ってた。
そして、「これは広田君にとっては特別なことじゃなくて、友達と映画に行くってだけのことなんだ。」って自分に言い聞かせた。そう思わないと、勘違いしそうだったし、啓太君を裏切ることになる気がしたから。

あたしと広田君は、お互いのメアドを交換した。
それって、あたしにとって、爆発もんのすごいすごーいことなはずなのに、あたしは何でもないことのように振舞ってた。
、、、広田君は?

その時だ。『メールだよ』あたしの携帯が告げた。
啓太君だ。でも今それを見ることは何故かためらいがあって、動揺した気持ちを抑えて、そのまま携帯をしまった。
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