素直になれば
『なら、自分で広田にコクればいいじゃん。あいつだって理子のこと好きだと思うよ』
おいおい、簡単に言うなよ。んなことできるわけない。
あたしが、真美のクラスの広田君のことを意識し始めたのは一月くらい前。
何でだろ、まず一番は照れたような笑顔かな。よくわかんないけど、日々『好き』は強くなってる。

で、何かにつけて真美のクラスに遊びに行くから『理子、挙動不審!』と責められてはかされたのは、先週だ。

『広田って、ああみえて結構もてるんだよねぇ。あ、でも今は彼女はいないみたいだよ。今は、ね。』って真美が笑いながら脅かす。
そっか、、、って安心のような心配のような。

『あたしは広田君のサッカーの練習をみていれば満足なの!』ってこれは半分本当で半分嘘だ。
広田君からなんかいってくれないかな。うぬぼれかもしれないけど、あたしが広田君をみていると、時々目が合う。
だけじゃなくって、あたしが視線をあげるとあたしを見ている広田君と目が合う。こともある。(、、、気がする)
そんな時はそれだけでドキドキだし、しばし幸せな気持ちになる。

でも、だんだんそれだけじゃなく、一緒に映画に行ったりPSPの対戦ゲームしたり
ううん、ただ喋りながら帰るだけでもいいから、もっとそばで広田君を感じたいって思ってる。
真美はあたしの気持ちを見透かすように、彼氏とのデートの話をする。
真美の今の彼は大学生で、ゴルフが趣味のぼんぼんだ。
『練習場で手取り足取り教えてもらってんだ』
『腰触りたいだけでしょ、やらし!』あたしの嫌味にも
『うふふ』
なんて思い出し笑いをする。あっそ、ラブラブってか。
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