素直になれば
玉砕。
結局あたしは真美の後押しとありったけの勇気とで広田君に打ち明けて
『ごめん、俺、、、、』広田君がそこまで言ったところで、その場から逃げ出した。
その後広田君が何か叫んでたけど、あたしはもう、もう、、、、顔を見られたくないそれ以来真美とは、連絡が途絶えていた。
気持ちでダッシュで家に帰ってわんわん泣いた。

あたしってば、大馬鹿だ。勝手にうまくいくって思い込でて、勝手に一緒に夏やすみを過ごすことを想像してた。勝手に広田君もあたしのこと好きなんじゃないかななんて思ってた。自意識過剰の馬鹿野郎だ。
こんな想いをするくらいなら、コクったりするんじゃなかった。広田君の姿を見ているだけにしとけばよかった。
あん時は、それだけじゃ物足りなかったくせに、振られたとたんに後悔してる。
結局どうしようもないことだったんだ。
どうしようもないから、行き場がないから胸が切なくて切なくて息苦しいよ。

『広田だけが男じゃないんだからさ、失恋の痛手を癒すのは恋愛だよ』
真美はそう言う。
『第一志望に落ちたら第二、第三志望で落ち着かなきゃー』
やだー、あたしには広田君しかいないもん。
そう思いながらも、あたしを元気づけようとする真美に凄く救われている。
真美の慰めにあたしも、もうどうでもいっか、、、って投げやりになって。

『理子を好きになってくれた人と、まず付き合ってみなよ』
『じゃあ、次に誰かコクってきたら、その人と付き合うよ』
広田君のことを忘れたかった。それだけだ。だからそう答えた。
『そうこなくっちゃ、忘れろ、忘れろ』真美は、嬉しそう。人の気も知らないで、さ。


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