素直になれば
学校を2日ずる休みして、3日目にむくんだ顔で登校した。
来たくなかったけど、今日は終業式だからって、ママに無理やり追い出された。

『理子、美人がだいなしジャン』
隣の席の相田が顔を覗きこんだ
『うっさいなー』ほっとけって。

広田君をまだ好きなのは全然変わらなくて、姿を見たい気持ちもあった。
けど、あたしは未練たらたらなあたしが嫌だったし、広田君に、いかにも泣き晴らしましたって顔を見られるのも悔しかった。

『広田、理子のこと探してたっぽいよ』帰り道に真美がポツっと言う。
『もうその話はやめてよ』強がったってあたしの傷は癒えてないんだから。
今はいろんなことを考える元気、ないんだよ。頭ん中スカスカ状態。

デートだから、ごめんと言う真美と別れてすぐだ。
『朝倉理子、さん。』
誰?知らない男の子。待ち伏せしてた?ストーカーか?
でも、めちゃめちゃ美形。一目瞭然の文句なしのかっこいい人だなー。
あたしは、スカスカの頭の中でそう思った。
『俺、雨宮啓太。君のことずっと気になってた。よかったら、付き合って下さい。』

『いいよ』

あたしの即答に雨宮啓太くんは瞬間驚いた風だったけど
『やったー!』ってガッツポーズをした。
どうでもいいよ。ってことだったけど、あんなに喜ぶなんてちょっと可愛い。

んな訳で、あたしは啓太くんと付き合うことになった。
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