素直になれば
真美とは夏休みの間ほとんど会う機会はなかった。
一度真美から、『聞いて聞いて電話』があって、久しぶりに二人で会った。
あたしも啓太君とのことを誰かに言いたかったし。

『やっほーい。理子ー』真美はなんだかハイテンション。しかもかなり焼けて元気いっぱいって感じ。
『幸せそうジャン』真美が彼氏の話をするためにあたしを呼び出したのはわかっていたから、ひやかした。

『ね、理子、あたしどっか変わったと思わない?』
『...』
『えへへ、二人で旅行に行っちゃった。』
『わお、それってお泊り?』そんな計画きいてないよー。
『だよーん』
それから真美は自分がどんだけ愛されているか、愛されたか(うわっ)、自分もどんだけ愛しているかを、自分をぎゅっと抱きしめながら
『今、すんごい幸せ』って締めくくった。

あたしは驚いたけど、少し先にいっちゃった幸せ顔の真美に軽い嫉妬?違うな、うーん、、、『いいなーっ』て感じ?を持っちゃった。

『理子も啓太先輩とラブラブっしょ?』
真美にそう言われて
『まーね』と笑った。
でもあたしその時、自分と啓太君が結ばれる時のことを考えていた。
けどそれは、どんなに想像してもうまく想像できなかった。
広田君とは?そう考えたら、、、ドキンときた。
やれやれ、何考えてんだろあたし。変な想像しまくっちゃって。
だいたいファーストキスだってまだなのに、有りえねーって。遠い先のこと。
でもさ、憧れ?興味?やなんか不安な気持ち?が入り乱れる関心事だよね、それって。
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