あの日見上げた星空
序章

奈月

早かった。
26年間のこの人生は私にとって、目紛しく過ぎ行くものだった。
目を閉じれば、たくさんの思い出達が色鮮やかに映し出される。
楽しかった。
小さな窓ガラスの外では、小さな雀達が可愛く鳴きながら、空を飛んで行く姿が見える。

私もいずれはあの空へと旅立つのだろう。

ぼんやりとそんなことを思いながら、ゆっくりと流れる時間に心地よさを覚えながら、私は静かに眠りについた。
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