あの日見上げた星空
1章

双子座

ー朱音……僕達ずっと一緒だよね。


これは小さい頃の記憶。
背格好も顔もそっくりな少年が私の手を握る。
大きな瞳には薄らと涙を浮かべて、小さな声でそう言う。


ー大輝、また泣いてるの?


笑いながらその手を握り返すその手も小さく、ぼんやりとこれは幼い自分の手なのだと思う。
これは、懐かしい記憶。
まだ、周りのことも何もかも知らなかった、綺麗な頃の私達。
ずっと一緒にいれると信じていた頃の私達。
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