「好きで、切なくて。メッセージ。」
「何があったかは分かんねぇけど、俺は拡也の味方だから。」

なかなか話せないでいる俺に、そう言って微笑みかけてくれた。

___……何があっても、か。

___……ほんとに? って聞き返してしまいそうなのを必死で堪えた。

未晴のカレシが翔吾じゃなきゃ、奪うことだって出来たかもしれない。

未晴のカレシが翔吾じゃなきゃ良かったって、そんな酷いことを思ったのに___……


あぁ、でも翔吾は昔から、こういう奴だった。

クラスに馴染ませてくれたのも。

ひとりじゃないって思えたのも。

いつも翔吾は、自分のことより人のことを心配する。

転校のときも、笑ってた。

皆が心配しないように、笑ってた。

あのとき、どんな思いだった?

あのとき、一番辛かったのは、翔吾なんだよな__……


そんな翔吾だから、未晴も好きになったんだろうな___……
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