「好きで、切なくて。メッセージ。」
【一時的カレシ、カノジョ】
「ここ、前にも来たね。」

沈黙を破ったのは、未晴だった。

「お、おう、そだな。」

懐かしいね、と微笑む未晴に
" 覚えてたんだ "と嬉しくなった。

未晴が頼んだのは、オレンジジュースとショートケーキ。

「……変わってないな。」

付き合ってた頃、よく飲んでたオレンジジュース。
つい、口に出してしまってた。

「……拡也だって。」

頼んだのはコーラだった。
そんな俺を見て、変わってないねって。

……ん?

………あれ?? 今、なんて言……?

変わってないね、の前……

拡也…… って、俺の名前、呼ん……

やべ、泣きそう……

ドキドキを通り越して、嬉しくて、嬉しくて、メニュー表を手に『普通』の表情を心がけていた。
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