黄金の覇王と奪われし花嫁
2章
「まだその気にならないのか?」
バラクは黄金に輝く瞳を楽しげに細めて、言った。
「その気になんて、永遠にならないわ」
ぷいとそっぽを向いたユアンを見て、クスクスと声を立てて笑う。
ユアンがバラクの元にきてから、もう半年の月日が流れていた。
ユアンはウラール族の暮らしにはすっかり慣れたが、バラクには今だ慣れなかった。
バラクは戦で留守にする時以外はほぼ毎晩のように、こうしてユアンの元を訪れ、下らない話をしたりユアンをからかって遊んだりする。
「毎晩のように私の元に来ずとも、他の女性のところへ行けばいいのに・・」
この半年の間にも、バラクは数多くの部族を攻め落としオルタにはたくさんの女達がおさめられていた。
攻めなければ、敗れるのみ。
これは風の民の鉄則だが、それにしてもバラクの戦好きはユアンには異常に思えた。
「そうは言っても、俺の妻はお前だけだからなぁ」
バラクはユアンの長い黒髪を弄びながら、言う。
ユアンは呆れた口調で言い返した。
「だったら、他にも妻を娶ればいいでしょう。 私は第一后妃の座に執着はないし、いつでも譲るわよ」
「あの女達はみんな嫁ぎ先が決まっている。それに手を出すほど、俺は非道ではない」
バラクの言葉にユアンは鼻白んだ。
バラクは知らないだろうが、ユアンにだって婚約者がいたのだ。
バラクは黄金に輝く瞳を楽しげに細めて、言った。
「その気になんて、永遠にならないわ」
ぷいとそっぽを向いたユアンを見て、クスクスと声を立てて笑う。
ユアンがバラクの元にきてから、もう半年の月日が流れていた。
ユアンはウラール族の暮らしにはすっかり慣れたが、バラクには今だ慣れなかった。
バラクは戦で留守にする時以外はほぼ毎晩のように、こうしてユアンの元を訪れ、下らない話をしたりユアンをからかって遊んだりする。
「毎晩のように私の元に来ずとも、他の女性のところへ行けばいいのに・・」
この半年の間にも、バラクは数多くの部族を攻め落としオルタにはたくさんの女達がおさめられていた。
攻めなければ、敗れるのみ。
これは風の民の鉄則だが、それにしてもバラクの戦好きはユアンには異常に思えた。
「そうは言っても、俺の妻はお前だけだからなぁ」
バラクはユアンの長い黒髪を弄びながら、言う。
ユアンは呆れた口調で言い返した。
「だったら、他にも妻を娶ればいいでしょう。 私は第一后妃の座に執着はないし、いつでも譲るわよ」
「あの女達はみんな嫁ぎ先が決まっている。それに手を出すほど、俺は非道ではない」
バラクの言葉にユアンは鼻白んだ。
バラクは知らないだろうが、ユアンにだって婚約者がいたのだ。