黄金の覇王と奪われし花嫁
1章
伝統的な婚礼衣装に身を包むユアンの長い黒髪をトゥイは器用に編み込んでいく。
「本当によくお似合いです。真紅の生地も金糸の刺繍もユアン様に誂えたようにぴったり」
トゥイはユアンをうっとりと眺め、そう言った。
その婚礼衣装は亡くなったユアンの母からユアンに受け継がれたものだった。
ユアンは来月、古くから同盟関係にあるダキ族のシェンという若者の元に嫁ぐことが決まっていた。
今日は本番を前にして、衣装合わせを行っていた。丈や袖の長さを合わせ、髪型と宝飾品を決めていく。
華やかな衣装と宝飾品はユアンの心を浮き立たせた。
夫となるシェンとは顔を合わせた事はないが、花嫁となることは年頃の少女にとって一番の喜びだった。
ユアンは少しの不安と大きな希望を胸に、婚礼の日を待ちわびていた。
「ユアン。入るぞ」
オルタの入り口から顔を覗かせたのは、ユアンの兄でシーン族の後継者であるジクートだった。
「兄様」
ユアンはぱっと振り返り、大好きな兄に花がほころぶような笑顔を向けた。
「うん、綺麗だ。 こんなに綺麗な花嫁を貰えるとはシェンは幸せ者だ」
ジクートはユアンの肩に手をかけ、にっこりと微笑んだ。
「本当によくお似合いです。真紅の生地も金糸の刺繍もユアン様に誂えたようにぴったり」
トゥイはユアンをうっとりと眺め、そう言った。
その婚礼衣装は亡くなったユアンの母からユアンに受け継がれたものだった。
ユアンは来月、古くから同盟関係にあるダキ族のシェンという若者の元に嫁ぐことが決まっていた。
今日は本番を前にして、衣装合わせを行っていた。丈や袖の長さを合わせ、髪型と宝飾品を決めていく。
華やかな衣装と宝飾品はユアンの心を浮き立たせた。
夫となるシェンとは顔を合わせた事はないが、花嫁となることは年頃の少女にとって一番の喜びだった。
ユアンは少しの不安と大きな希望を胸に、婚礼の日を待ちわびていた。
「ユアン。入るぞ」
オルタの入り口から顔を覗かせたのは、ユアンの兄でシーン族の後継者であるジクートだった。
「兄様」
ユアンはぱっと振り返り、大好きな兄に花がほころぶような笑顔を向けた。
「うん、綺麗だ。 こんなに綺麗な花嫁を貰えるとはシェンは幸せ者だ」
ジクートはユアンの肩に手をかけ、にっこりと微笑んだ。