呼 吸 困 難 。
肉の焼ける香ばしい匂いが私の鼻をくすぐる。
フライパンの上で"この上からどかして"と言わんばかりの勢いでジュー、ジューと音を立てるベーコンエッグを、焼きあがったトーストと共に白い皿に盛る。

すると、高校2年…つまり、私の2つ上の兄である永崎 粋(ナガサキ スイ)がリビングへやって来た。

「おっはよー、ななみちゃん」

「おはよう、粋兄」

私はそれと――と付け加え、粋兄にテーブルの上に朝食を並べるように頼み、弟の蓮を起こしに行くことにした。
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