呼 吸 困 難 。
リビングへ行くと、テーブルには私の作った3人分の朝食が並んでいた。

「朝食、並べておいたよ。…あれ、蓮くんは?」

「ありがとう。蓮なら――」

蓮なら部屋で着替えてるはず、そう言おうとした時。
蓮がリビングへやって来た。

蓮は私たちの横を通り過ぎて席につき、そして無言でベーコンエッグに手をつける。
それを見た私は"何かひとこと言いなさいよ"と思った。
きっと粋兄も同じことを思ってたはず。

けれど、あえて口に出すことはせずに席についた。

朝から雰囲気を壊すようなことはしたくないからね。

< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop