学校の屋上
(12)~好き~
バシャーン
それと同時にこの駐車場全体に鈍い音が響きわたった。
「ミユ!ミユ!!」
川の水が赤く染まった。
妹が死んだ。
即死だった。
あのあと急いで救急車を呼んだが来た頃にはもう、ミユは冷たくなっていた。
震えが止まらなかった。
できれば夢であってほしかった。
目を閉じると妹が川に落ちる瞬間が浮かび上がる。
体は凍りついて、涙すら出なかった。
「あなたのせいよ!」
「お前のせいだ!」
父、母、親戚、友達………
いろんな人に、言われた言葉が生々しく頭に響く。
とうとう慧太は家を出た。
そして、ある高校に来た。
最近屋上が使われなくなったという高校に。
そして、鍵を盗み屋上の倉庫を自分の家としたのだった。
―――――そして、今………―――――
妹を殺しておいて自分だけが夢を叶えるなんてできるはずもなく、プロを目指して始めたギターは今ではただの趣味になっていた。
この話を終えたあと、彼は『こうなるくらいだったら、キスされてたほうがましだったよな……』と笑いながら、すがるような声で呟いた。
アリスの口から言葉がこぼれた。
「そっか……」
貴方は悪くない!
アリスの目から涙があふれでた。
だって…だって………!
「一番辛かったのは………あなたじゃない……っ!」
彼の目が丸くなった。
そして、彼の目からひとすじの涙が流れた。
月明かりに照らされる彼は、見とれてしまうほど綺麗だった。
「ミユちゃんのためにも、自分の幸せをみつけようよ。」
「…………ありがとう。」
そう言うと彼は、私を抱きしめた。
涙を隠すように……。
私は、彼の背中に手をまわした。
だいぶん落ち着いてきたな………
「………好きだよ。」
彼が、そう耳元でささやいた。
「………え?」
「お前が好きだ。……初めて会ったときから。」
え、うそ………
これって告白!?
「俺と、付き合って?」
なにこれ、めっちゃ嬉しいんだけど………!
「……………………はい。」
彼が微笑んだ。
今まで見たことがない優しい笑顔だった。
気がつくと、目の前に彼の顔があった。
彼の右手が私の首筋に触れる。
ドキッ………
わ……自分の中からこんな音、聞いたことない
「目、閉じて………」
目を閉じていても、貴方を感じる………
そんななか、彼と私の唇が重なった。
――――――――――――END――――――――――――
おまけ
「名前……慧太っていうんだね。」
「うん。…………俺さ、」
「ん……?」
「もう一度ちゃんとギター始めるよ。」
「うん……!いいと思う、応援してるね。」
ふたりは優しくキスをした。
それと同時にこの駐車場全体に鈍い音が響きわたった。
「ミユ!ミユ!!」
川の水が赤く染まった。
妹が死んだ。
即死だった。
あのあと急いで救急車を呼んだが来た頃にはもう、ミユは冷たくなっていた。
震えが止まらなかった。
できれば夢であってほしかった。
目を閉じると妹が川に落ちる瞬間が浮かび上がる。
体は凍りついて、涙すら出なかった。
「あなたのせいよ!」
「お前のせいだ!」
父、母、親戚、友達………
いろんな人に、言われた言葉が生々しく頭に響く。
とうとう慧太は家を出た。
そして、ある高校に来た。
最近屋上が使われなくなったという高校に。
そして、鍵を盗み屋上の倉庫を自分の家としたのだった。
―――――そして、今………―――――
妹を殺しておいて自分だけが夢を叶えるなんてできるはずもなく、プロを目指して始めたギターは今ではただの趣味になっていた。
この話を終えたあと、彼は『こうなるくらいだったら、キスされてたほうがましだったよな……』と笑いながら、すがるような声で呟いた。
アリスの口から言葉がこぼれた。
「そっか……」
貴方は悪くない!
アリスの目から涙があふれでた。
だって…だって………!
「一番辛かったのは………あなたじゃない……っ!」
彼の目が丸くなった。
そして、彼の目からひとすじの涙が流れた。
月明かりに照らされる彼は、見とれてしまうほど綺麗だった。
「ミユちゃんのためにも、自分の幸せをみつけようよ。」
「…………ありがとう。」
そう言うと彼は、私を抱きしめた。
涙を隠すように……。
私は、彼の背中に手をまわした。
だいぶん落ち着いてきたな………
「………好きだよ。」
彼が、そう耳元でささやいた。
「………え?」
「お前が好きだ。……初めて会ったときから。」
え、うそ………
これって告白!?
「俺と、付き合って?」
なにこれ、めっちゃ嬉しいんだけど………!
「……………………はい。」
彼が微笑んだ。
今まで見たことがない優しい笑顔だった。
気がつくと、目の前に彼の顔があった。
彼の右手が私の首筋に触れる。
ドキッ………
わ……自分の中からこんな音、聞いたことない
「目、閉じて………」
目を閉じていても、貴方を感じる………
そんななか、彼と私の唇が重なった。
――――――――――――END――――――――――――
おまけ
「名前……慧太っていうんだね。」
「うん。…………俺さ、」
「ん……?」
「もう一度ちゃんとギター始めるよ。」
「うん……!いいと思う、応援してるね。」
ふたりは優しくキスをした。