イレカワリ~番外編~
沙耶のとの約束。


大切な約束。


たとえこえが海の考えた罠だとしても……。


俺は、海と入れ替わった……。


途端に世界は暗くなり、目を開ける事もできず、体はけだるくなった。


自分の体温がどんどん奪われていくのがわかる。


寒さを感じる。


だけど雲の上にいるようにフワフワと心地よい感覚。


薄れ行く意識の中、支えられていた自分の体が乱暴に離されるのがわかった。


「ふんっ。本当にバカな奴だな」


これは……海だ。


自分の声をしているけれど、海が言った言葉だった。


バカか。


そうかもしれない。


俺たちに入った亀裂はもっと早くに直す事ができたのかもしれない。


でも、もうここまで来てしまった。


もう、戻れない所まで。
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