イレカワリ~番外編~
俺はそんな彼女に釘付けになっていた。


似てる……。


ジッと見ていると、視線を感じた彼女がこちらを向いた。


目が合った瞬間、バチッと音がした気がした。


沙耶に似ている。


そっくりだ。


心臓が高鳴り、呼吸が乱れるのを感じた。


それでも彼女から視線をそらせることができなかった。


彼女は少し困ったように首を傾げ、そして教卓へと視線をむけた。


緊張からか、背筋をピンと伸ばし膝の上の手はグーになって力が込められているのがわかった。


小田、ここね……。


俺は心の中でその名前を繰り返しつぶやいたのだった。
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