イレカワリ~番外編~
公園-歩side-
俺は大股で家を出てそのまま自転車を走らせた。
朝食は食べていないし、顔も洗っていない。
でも、海の言っていることが正しすぎて顔を合わせている事ができなくなってしまったのだ。
立ちこぎをして風を感じる。
頭の中には最近急激に距離が縮まってきているここねの姿があった。
海の言う通り、ここねの事で一杯になって沙耶の誕生日を忘れていたのだ。
俺は学校の近くにある公園で自転車をとめた。
一気にこいできたから呼吸が乱れている。
誰もいない小さな公園に入り、白いベンチに腰を下ろした。
心地いい風が吹き抜けていき、背中に流れた汗が引いていくのを感じた。
「俺はサイテーだ……」
呟き、ため息を吐き出した。
自由気ままに空を飛んでいる鳥たちが頭上で会話を楽しんでいる。
そんな鳴き声さえ、今は疎ましく感じられた。
「歩?」
そう声をかけられて顔を上げると、そこにはここねの姿があった。
制服姿で、鞄を手に持っている。
「ここね……なんで?」
「あたしもビックリした。どうして歩がここにいるの? いつもはいないのに」
そう言われて、俺はここねがいつもこの公園に来ているのだと言う事を知った。
恐らくは、同じくらいの時間に来ているのだろう。
「俺は……ただ、なんとなく」
本当の事なんて言えるはずもなく、俺は適当に言葉を濁した。
朝食は食べていないし、顔も洗っていない。
でも、海の言っていることが正しすぎて顔を合わせている事ができなくなってしまったのだ。
立ちこぎをして風を感じる。
頭の中には最近急激に距離が縮まってきているここねの姿があった。
海の言う通り、ここねの事で一杯になって沙耶の誕生日を忘れていたのだ。
俺は学校の近くにある公園で自転車をとめた。
一気にこいできたから呼吸が乱れている。
誰もいない小さな公園に入り、白いベンチに腰を下ろした。
心地いい風が吹き抜けていき、背中に流れた汗が引いていくのを感じた。
「俺はサイテーだ……」
呟き、ため息を吐き出した。
自由気ままに空を飛んでいる鳥たちが頭上で会話を楽しんでいる。
そんな鳴き声さえ、今は疎ましく感じられた。
「歩?」
そう声をかけられて顔を上げると、そこにはここねの姿があった。
制服姿で、鞄を手に持っている。
「ここね……なんで?」
「あたしもビックリした。どうして歩がここにいるの? いつもはいないのに」
そう言われて、俺はここねがいつもこの公園に来ているのだと言う事を知った。
恐らくは、同じくらいの時間に来ているのだろう。
「俺は……ただ、なんとなく」
本当の事なんて言えるはずもなく、俺は適当に言葉を濁した。