イレカワリ~番外編~
サプライズ-海side-
その日の放課後になり、俺は真っ直ぐ沙耶の入院している病院へと自転車を走らせた。
沙耶の誕生日会ができるかどうかは、病院側の承諾が下りるかどうかにかかっている。
歩と喧嘩をしてしまった今、そんなに高価なプレゼントもできなくなってしまったから、ちょっとしたことでもいい、沙耶をあっと驚かせて喜ばせたいと思っていた。
「あら、今日も来たの?」
受付の女性が俺を見て驚いたようにそう言う。
俺は軽く会釈をするだけで、すぐにエスカレーターへと向かった。
5階まで上がると、いつも顔を合わせるナースステーションの看護師に声をかけた。
「15日の沙耶の誕生日に、ちょっとしたサプライズパーティーを開きたいんです」
そう言うと、看護師さんは目を大きく見開いて「あら、素敵ね!」と、手を叩いた。
「沙耶ちゃんの誕生日? あら、もうすぐなのね」
横から話を聞いていた他の看護師たちも会話に参加し始める。
女性ばかりなので、サプライズやパーティーと言った単語に弱いみたいだ。
「あたしたちは大歓迎よ。でもちょっと待ってね、許可が下りるか聞いてみなきゃ」
一番若い看護師がそう言い、内線で誰かに電話をかけてくれている。
「沙耶ちゃんはいいわね。こんな素敵な彼氏がいて」
「つ、付き合ってないですよ」
慌てて否定する。
けれど俺の顔は真っ赤に染まっていたようで、クスクスと笑われてしまった。
沙耶の彼氏か……。
考えただけでドキドキしてしまう。
できたらそんな存在になりたいと思う。
だけど今の沙耶は治療に専念しなきゃならないし、余計な事で悩ませる事はできなかった。
そうこうしている間に電話をしていた看護師がもどってきた。
「特別に誕生日パーティーをすることを許してくれるって」
嬉しそうにそう言われて「本当ですか!?」と、思わず声が大きくなった。
「えぇ。15日はみんなの休憩室を貸切にしてくれるって。よかったわね」
「ありがとうございます!」
「飾りつけとか、手伝える所はあたしたちも手伝うから、頑張ってね」
「はい!」
こうして、沙耶の誕生日を祝う計画が始まったのだった。
沙耶の誕生日会ができるかどうかは、病院側の承諾が下りるかどうかにかかっている。
歩と喧嘩をしてしまった今、そんなに高価なプレゼントもできなくなってしまったから、ちょっとしたことでもいい、沙耶をあっと驚かせて喜ばせたいと思っていた。
「あら、今日も来たの?」
受付の女性が俺を見て驚いたようにそう言う。
俺は軽く会釈をするだけで、すぐにエスカレーターへと向かった。
5階まで上がると、いつも顔を合わせるナースステーションの看護師に声をかけた。
「15日の沙耶の誕生日に、ちょっとしたサプライズパーティーを開きたいんです」
そう言うと、看護師さんは目を大きく見開いて「あら、素敵ね!」と、手を叩いた。
「沙耶ちゃんの誕生日? あら、もうすぐなのね」
横から話を聞いていた他の看護師たちも会話に参加し始める。
女性ばかりなので、サプライズやパーティーと言った単語に弱いみたいだ。
「あたしたちは大歓迎よ。でもちょっと待ってね、許可が下りるか聞いてみなきゃ」
一番若い看護師がそう言い、内線で誰かに電話をかけてくれている。
「沙耶ちゃんはいいわね。こんな素敵な彼氏がいて」
「つ、付き合ってないですよ」
慌てて否定する。
けれど俺の顔は真っ赤に染まっていたようで、クスクスと笑われてしまった。
沙耶の彼氏か……。
考えただけでドキドキしてしまう。
できたらそんな存在になりたいと思う。
だけど今の沙耶は治療に専念しなきゃならないし、余計な事で悩ませる事はできなかった。
そうこうしている間に電話をしていた看護師がもどってきた。
「特別に誕生日パーティーをすることを許してくれるって」
嬉しそうにそう言われて「本当ですか!?」と、思わず声が大きくなった。
「えぇ。15日はみんなの休憩室を貸切にしてくれるって。よかったわね」
「ありがとうございます!」
「飾りつけとか、手伝える所はあたしたちも手伝うから、頑張ってね」
「はい!」
こうして、沙耶の誕生日を祝う計画が始まったのだった。