イレカワリ~番外編~
お母さんは沙耶には似ていないと言ったけれど、それは雰囲気とか仕草の事だろう。


「ここねは料理も手伝ってくれたんだ」


俺はそう言い、テーブルの上に持ってきたお弁当箱を並べて行った。


「そうなんだ。ありがとう」


「ううん。あたしよりも歩の方がずっと上手だったよ。ね、歩?」


ここねにそう言われると、悪い気はしなかった。


いつか、お弁当以外にも俺の作った料理を食べてもらいたいと思う。


ここねならきっと、笑顔で食べてくれるだろう。


「さ、早く飾りつけを終わらせないと、あと30分で始まるぞ!」


お父さんの言葉をキッカケに、俺たちは最後の準備にとりかかったのだった。
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