イレカワリ~番外編~
歩はそう言い、右手に持っていた紙袋を見せた。
今日のお礼。
ここねちゃんの事だろう。
「なぁ歩」
急いでいる歩を呼び止めた。
「なんだよ」
「どうして……どうして、今までここねちゃんを俺に会わせなかった?」
その問いかけに、歩は無言になった。
何も言わずただ手に持っている紙袋に視線を向けている。
「悪い。急いでるんだ」
「それ、ここねちゃんに渡すんだろ? だったら学校で会えるだろ」
俺がそう言うと、歩は困ったように眉を下げた。
「なぁ、俺の質問に答えろよ」
自分でも気が付かない内に口調がきつくなっているのがわかった。
歩の口からちゃんとした理由を聞けばきっと納得できる。
だけど、そのちゃんとした理由がなんのか、今の俺にはわからなかった。
「……ここねちゃんが沙耶に似ているからか?」
無言のままの歩に聞く。
歩はハッとしたように目を見開き、それから小さな声で「あぁ」と、頷いた。
瞬間、俺の中で何かが壊れる音がした。
やっぱりそうだったのか。
違う理由を言ってくれればそれを信じたかもしれないのに、歩はその通りだと肯定した。
「それって、どういう意味だよ」
俺は歩を睨み付ける。
返事はわかり切った事だった。
だけど、ちゃんと聞いておきたかった。
今日のお礼。
ここねちゃんの事だろう。
「なぁ歩」
急いでいる歩を呼び止めた。
「なんだよ」
「どうして……どうして、今までここねちゃんを俺に会わせなかった?」
その問いかけに、歩は無言になった。
何も言わずただ手に持っている紙袋に視線を向けている。
「悪い。急いでるんだ」
「それ、ここねちゃんに渡すんだろ? だったら学校で会えるだろ」
俺がそう言うと、歩は困ったように眉を下げた。
「なぁ、俺の質問に答えろよ」
自分でも気が付かない内に口調がきつくなっているのがわかった。
歩の口からちゃんとした理由を聞けばきっと納得できる。
だけど、そのちゃんとした理由がなんのか、今の俺にはわからなかった。
「……ここねちゃんが沙耶に似ているからか?」
無言のままの歩に聞く。
歩はハッとしたように目を見開き、それから小さな声で「あぁ」と、頷いた。
瞬間、俺の中で何かが壊れる音がした。
やっぱりそうだったのか。
違う理由を言ってくれればそれを信じたかもしれないのに、歩はその通りだと肯定した。
「それって、どういう意味だよ」
俺は歩を睨み付ける。
返事はわかり切った事だった。
だけど、ちゃんと聞いておきたかった。