イレカワリ~番外編~
☆☆☆

家に帰って課題をしていると、海が帰って来る音が聞こえて来た。


その音に思わずビクッと身を震わせた。


沙耶のこと、ここねのこと。


ちゃんと海に説明をして謝らないといけない。


そんな思いで部屋を出た。


すると、階段を上がって来る足音が聞こえてきて、俺は動きを止めた。


「海」


海が階段を上がりきる前に声をかける。


しかし海はその声が聞こえなかったかのように、俺の横を通り過ぎて自分の部屋へと入って行ってしまった。


胸の中に孤独感が広がって行く。


海は俺を許してはくれないのだろうか。


どうすればいいんだろう。


どうすれば、海は俺と会話をしてくれるんだろう。


わからず、俺は部屋に戻ったのだった。
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