イレカワリ~番外編~
☆☆☆

歩は本当にここねちゃんの事が好きならば、きっと気が付くはずだった。


家にいる俺はがここねちゃんだと言う事に。


すべて終えたあと、俺は公園にここねちゃんを呼び出した。


俺の姿をしたここねちゃんは今にも泣きそうな顔をしている。


「ほ、本当にこんな事ってあるんだね」


純粋なここねちゃんは、俺に体を乗っ取られただなんて気が付いていない。


家でも、きっと俺の言った通りにしていたのだろう。


『入れ替わったのがバレたら面倒だから、極力誰とも会話しないようにしよう』と……。


それはもちろんウソだった。


家の人間に相談されれば仕返しができなくなってしまうからだ。


だけど、ここねちゃんは俺の嘘を鵜呑みにし、そして信じ切っていたようだ。


本当に可愛くて素直で、いい子だと思う。


「ごめんな」


俺はクシャクシャッとここねちゃんの頭をなでた。


「え?」


首を傾げるここねちゃん


次の瞬間、俺の心は自分の体に戻っていた。


目の前には気絶しているここねちゃん。


俺はベンチまでその体を運ぶと、そのまま公園を出たのだった……。
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